言葉と鉛筆で描く日常風景 201705

東南アジア素描~通勤の風景


いつも通る道端に、ゴザを敷いて木の実やショウガを売っている老女がいる。
さりげなく見ていると、様々な人々が彼女の商品を購入していく。

老若男女、どの人も通勤途中であることには違いない。
会社に通勤する途中、ショウガを買う必要があるだろうか。

この国の良いところは、どの層の人々にもそれなりにお金が回るシステムを保持している点だ。
お店をもつお金がない人でも、ゴザ1枚で商売ができる。
そうした人々は、誰しもお得意様をもっている。
例えば、嬉しそうな笑顔が心に残るとか、お金の渡し方が上品だとか、皆それなりに人を誘引する独自的な魅力をもっているのだ。
だから、人々は早朝の通勤時にショウガを買う。

お金のやり取りは、心のやり取りでもある。


日常の風景~水泳


この国の良いところのひとつにプールがある。
50円ほど出せば、水のきれいな25mプールで泳ぐことができる。

毎週1回、僕はクロールで約1時間、2~2.5km泳ぐ。
25mだから往復で40~50回になる。
面倒くさいから、途中で数えることをやめることもある。
1時間で泳げる距離が判っているのだから、そもそも数える必要もない。

泳いでいる間は、自分のペースを忠実に守る。
水中で、少しでもペースを速めると関節や筋肉に負担がかかり、夜苦しむことになるからだ。

自分のペースをキープしている限り、疲れは感じない。
同じ動作の繰り返しだから、自然にいろいろなことを考える。
それは、瞑想と言ってもいいだろう。

日常の生活でそんな風に物事を考える時間が他にあるだろうか、とふと思う。
人間というのは、時々立ち止まって過去を振り返り、そこで起こったことに思考を泳がせることが必要なのだと気付く。

時々、自分が空を飛んでいるような気にもなる。
重力の呪縛から逃れて、すっと空気に浮かぶような感覚が好きだ。

水中では、陽の光に照らし出された水面の波紋がゆらゆらと踊る。
それは、幻想的で生命感に溢れている。
この光と影に身を委ねたいと思う。


検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
フリーエリア