言葉と鉛筆で描く日常風景 201808

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彼女


初めて会った時、彼女は皆の前で僕に手を差し伸べた。
彼女は誰にも判らないよう、普通よりもほんの一瞬だけ長く僕の掌を握り、そうして細い指先を滑らせるようにして放した。

初夏の並木道、彼女は小さな冷たい手で僕の手を引き、どこかへ導くように歩いた。

知らない広い部屋の片隅で、僕は彼女と寄り添って話をした。

今朝、僕は初めて彼女の顔を見た。
彼女は怯えていた。
大丈夫、心配しないで―僕は震える肩をそっと抱き寄せた。
その感触は、まるで彼女の身体ではなく、心を抱擁しているようだった。

夢から覚める間際、僕は彼女に言った。
すぐにここへ戻って来るから、どうか何処にも行かないで、と。
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