言葉と鉛筆で描く日常風景 201903

前を歩いていた青年


車道とオートバイがたくさん並んでいる歩道の間の隘路を歩いている時、前の人がさっと右に身を寄せた。
前から走ってくるオートバイに道を譲ったのだった。
僕も彼に習い、身を避けた。

歩調が同じなせいか、その後7分ほど僕は彼の後を歩き続けた。
齢の頃27、8歳、身長は177cmくらい、そこそこ逞しい身体つきだった。
刈上げの上に茶髪が逆立ち、紺のジーンズに黒のポロシャツと白いスニーカー。

後姿というのはその人の偏りが表れ易いし、大半の人の姿にそのような線が見て取れる。
しかし青年の後姿は、見惚れるほどにバランスの取れた美しく力強い線を描いていた。

ふと何故だか、懐かしい気持ちになった。
青年はかつて少年の頃の僕が憧憬した姿そのものだった。

March 17, 2019 Revised


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