言葉と鉛筆で描く日常風景 ノルウェイの森(村上春樹著)

ノルウェイの森(村上春樹著)

 今日、タイ語版ノルウェイの森(村上春樹著)を読み終えた。僕がタイ語版を読むのはこれが2度目であり、他に日英語でも十数回読んでいる。

 この本を読み終えた時、いつもどうしようもない孤独感に襲われる。なぜだろうか。若い頃は、たんに物語そのものが終わることからくる寂しさからそう感じるのだと思った。が、いつ頃からか、別な要因があることに気づき、やがてそれが主要な理由と考えるようになった。

 優れた本は、読む度に新しい感覚を読者に与えてくれるものだ。それそのものは自身の発展を意味し、無論悪いことではないのだが、自身の感覚が変わることで、それまで周囲との間でとっていた微妙なバランスが崩れることがある。もう少し具体的に言えば、例えばそれが恋人や友人との別れの遠因になったりもする。

 よく考えてみれば、ノルウェイの森という物語そのものがそうだ。誰かが何かと出会うことにより内面に変化が生じ(成長し)、それまで住んでいた世界から各々が別な方向へと歩き出す。そして、その過程で当然別れが生じる。皆、歩き出すときはひとりだから、誰かの温もりを求めるのだ。

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どれが1番好きですか?

タイ語英語日本語版の中ではどれが1番良かったですか?
同じ本でも訳す方に依ってニュアンスが違ったり、とても意訳していたりしそうですよね。(映画の字幕も!)

Patterson's Houseさんの記事は絵も文も繊細で深いですね。私の頭では何度読み返しても難しいことがよくあります。(でももちろん大好きですよ〜!)

Re: どれが1番好きですか?

ふゆこさん

いつも、温かいコメントを有難うございます。

ノルウェイの森はどの言葉で読んでもいいと思いますが、オーディオ・ブックだと英語が好きです。ナレーターの声がワタナベくんのイメージにとても合っています。

他方、海辺のカフカは、圧倒的に英語がいいと思います。
とくに星野くんとカーネルサンダースは、アメリカン・イングリッシュのノリですね。

ふゆこさんの文章は、僕に永い航海から帰って来たときに見た港の灯りを想起させます。
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